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現代アーティストの古典保護運動
ロンドンのダウニング・ストリート10番地といえば、イギリスの首相官邸。
ここに、お騒がせYBAのひとり、トレイシー・エミンが“あるもの”を届けに訪れた。
それは英国アートの大御所たちによる請願書。
ルシアン・フロイドをはじめ、アントニー・ゴームリーやデイビッド・ホックニーら37名の作家が名を連ねていた。
一体何の請願かというと、最近話題になっているルネッサンスの名画、ティツィアーノの『ダイアナとアクタイオン』の購入資金5000万ポンドの政府援助を求める、というもの。
この作品はもともとサザーランド公爵の所蔵品で、スコットランド国立美術館に長年貸し出され、展示されていた。
このたびこの作品を売却したいという意志が発表され、スコットランドとロンドンのナショナル・ギャラリーに美術館特別価格として当初1億ポンドでオファー、そこからさらに半値の5000万ポンドにディスカウントされた。
この“バーゲン”価格で買わない理由がない、とエミンは主張する。
今年中に購入しなければ、作品はマーケットに流出してしまい、おそらくロシアマネーに持っていかれてしまい、二度と英国には戻って来ないだろう、とのこと。
市場価格は推定3億ポンドの作品が5000万ポンドで購入できるのだから、何も迷うことはない気がするのだが…。
確かに高額ではあるが、これを購入すると、対になる作品の『ダイアナとカリスト』も同額で2012年まで購入できる、というおまけ付き。
請願書はこうした不景気の時だからこそ、素晴らしいアート作品を国で保持し、一般に公開することが重要だと説いている。また、同様にオファーされているスコットランド政府はすでに出資を決めたようだ。
ちなみにメディア嫌いで知られたフロイドも、このキャンペーンのために普段は受けないテレビインタビューなども積極的に受けている。
現代アーティストたちが軒並み“イギリスの遺産”と賞賛し、国内に留めたいと切望するこの作品、イタリアの作家なのだが、200年近くイギリス国内で展示されてきたので、愛着もひとしお。
だけど本当はマーケットに出たほうが、景気向上になるかもしれない。
参考記事はこちら:The Independent
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